逃げる女(37歳記)
トーマスは驚いた表情で、でもすぐに少し微笑んで「久しぶり。」と小さく手を振りました。
自分も精いっぱい微笑みを作りました。
いてもたってもいられない気持ちになり、反対方向へ歩き出しました。
「ごめん、無理。」友人にそういってその場から逃げました。
「ちょっと待って」と友人が追いかけてきました。
トーマスの友人が「これから飲み会だよ~こっちにおいでよ」と自分たちに声をかけているのがきこえましたが、速足で立ち去りました。
早歩きでしばらく歩いたところで、腕をつかまれました。
振り向くと、トーマス。
トーマス「なんで逃げるの?」
え、なんでって
わたし「いや、ちょっと風にあたろうと思って」
トーマスが微笑んで言いました。
トーマス「みんなでご飯食べて楽しんでてよ、僕は今からちょっと走ってこようと思ってるから。」
「えっ」
トーマス「だから、大丈夫だよ」
だいじょうぶって。。
トーマス「本当に、なんだかもっと走りたい気分だから、僕はごはんはパスするよ、だから行っておいでよ。じゃ」
そう言い残し、海岸線の方へ走っていきました。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。