Yくん ㉑ 密かな企み(36歳記)
Yくんが、男性に惹かれるということ、嘘を言っているわけじゃないと、もちろん信じていました。
でも、正直「もしかしたらいつか振り向いてくれるかも」、というかすかな希望が心のどこかにありました。
二人で会っていると、彼氏といるような感覚に錯覚する瞬間もあり、自然につきあうことになるかも、という淡い妄想も。だって一度は女性とも付き合ってたわけだし。(失敗したみたいだけど)
その夜、Yくんがアパートに泊まり、ソファで就寝しようとしたとき、つい寂しくなって、Yくんに言ってしまいました。
わたし「やっぱり、一緒に寝ようよ、一人じゃ肌寒いし」(自分から誘うなんて、信じられないほど大胆!!)
普通の男性なら、同じベットに入れば、気がない相手でも、少しはその気になるはず。。
でもYくんは普通じゃないのだが。。。
Y「。。いいですよ。」
そう微笑んで、Yくんが自分のベッドに入ってきました。
そして後ろから、抱きかかえ込むようにハグをしてくれました。
あ~、あったかい。幸せ。好きなYくんにハグされて眠るなんて。。。。
ドキドキドキドキ。。。
心臓の鼓動がYくんに伝わりそうで、必死に抑えていました。
呼吸を整えないと。。。。 ダメ、緊張で絶対に眠れそうにない。。
しかし、
相反して、ハグをしたままの体制で、Yくんは気持ちよさそうに、スースーと寝息をたて、そのまま熟睡していました。
。。。。。
こんなに身体全体が密着しているのに。。。
本当に、何もないんだ。
やっぱり、無理なんだ。。。
愚かな企み、、、失敗。
緊張や興奮どころか、とてもやすらかに眠っているYくんを見て、
「ああ、こういうことか、付き合えないというのは。納得。」
と初めて実感し、心から理解することができました。
Yくんを完全にあきらめた日。
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